Gloomy

気のむくままに!

旅がなければ、死んでいた。を読んだら過去の自分と対峙した

Twitterで見て気になっていた「旅がなければ、死んでいた」を読んだ。
正確には、77ページ読んだ。

途中で読むのをやめた。なんか受け付けなかった。文章とか書き方が受け付けないのって久しぶりだったかも。

私生活に疲れた女性が、世界中を旅していろんな体験をしながら、感じたことをまとめた本で、知ったときには「絶対わたしが好きな感じの本だ!!!」と思ったし、ワクワクして読み始めたんだけどなぁ。

 

著者は旅に出る直前に、付き合っていた恋人に振られて、不覚にも傷心旅行となってしまうんだけど、それが影響してるのかしてないのか、ちょこちょこ下ネタが出てくるんだよね。

その下ネタがなんだか全然爽やかじゃなくて好きになれなかった。いちいち「ウッ」てなるというか、恥ずかしくなるというか、嫌悪感を覚えるというか。またそういう気持ちになるものが出てくる回数も多くて、どんどん嫌だなぁ…っていう気持ちの方が勝ってしまって、結果的に本を閉じてしまった。

個人的に「嫌だなぁ…」と思った言い回しは以下。

そんなやさしき世界を体現する人に出会えるまで、色気のない鉄のようなパンツを穿いて、股間の純潔を守り、清く正しく生きていこうと心に決めた。

アナルの開発を試みて尻穴を負傷したことはあるが、ここまでの痛みを尻に感じたのは初体験だ。

しかし異性に股間を露出する機会は一切なく、股間を使った運動をする予定も一切なかったので、そこまでの問題にはならなかった。

なんていうか、下ネタなのに面白くない!そしてしつこいことで更にしらける!

この言い回しのあと、1つのテーマでまるまる下ネタばかり出てくる回があって、それで「あ、むりぃ」となり本を閉じるに至った。

 

が。そこでふと、冷静になってみる。

よくよく思い返してみると、この人のこの感じ、過去の自分にそっくりじゃん…。

 

※以下、長々と自分語りが始まります。しかもこの本と全く関係ありません。

 

20代になって、女子大から女性ばかりの下着メーカーに就職。近くにいるのは女性ばかりで、その時付き合ってた彼氏ともマンネリだったころ。

ひょんなことからクラブで歌を歌うことになって、そこからどんどん人間関係が形成されていった。田舎者の私には刺激が強すぎるくらい、みんな面白くて経験豊富に見えて、自分がほんとうにちっぽけに見えた。

そんな中、私は仲良くなった人たちを喜ばせたい気持ちと、いままで知り合ったことのない種類の男性にもっとちやほやされたい気持ち、自分を面白いと思ってほしい気持ちが複雑に絡み合う。それまで友人同士で地道に交流を深めてたTwitterを、彼らとの交流の場にシフトチェンジしたのだ…。

言葉遣いや表現方法もどんどん変わって、明らかに下ネタが多くなった。そのコミュニティの中では大いにかわいがってもらえたし、RTや当時でいうふぁぼも連日もらって、私は、私の中の自己顕示欲はどんどん大きくなっていった。

途中、仲のいい友人に引かれてるのに気付いたけどやめなかったし、Twitterで知り合ってすごく可愛がってもらってたお姉さんに、距離を置かれてることもあとで知った。下ネタばかりになる前に仲良かった人たちが、私へのイメージを明らかに悪くしていることには気付いていた。でも、その当時は「わたし面白い!!」「こんな素敵な人たちと知り合ってる私!!」というどうしようもなく肥大化した自己顕示欲に取り込まれ、自分のことを客観的に見る余裕は既になくなっていた。

数年経って、私も周りも当たり前に年齢を重ねていき、コミュニティの友人たちが少しずつ結婚したり、移住したりして、付き合いが減ってきた時に気付く。「私、この年でだいぶ香ばしい黒歴史作ってね?」

 

以上である。

結婚して子供にも恵まれ、いわゆる「落ち着いた」状態の今、あの過去を振り返るととてもキラキラしてるけど、あの時の「私」のはっちゃけぶりは、かなり恥ずかしいものとなっていて、当時のツイートを読み返すことが出来ないでいる。

この本を読んで、勝手に著者の寒い部分に自分を重ねて、こんなに深いところまできてしまった。全然関係ねえ。すまない作者。でも寒い部分は寒いと言いたかった。

 

また、本を読んだらレポートします(^_-)-☆