音楽の記憶

日々、育児に翻弄されていたり、コロナの関係で旅行に行ったり遠出も出来ないこの状況で、音楽に触れることをすっかり忘れていた。久しぶりにひとりの時間が出来、車を運転していたら流れてきたSatin Jacketsの「You make me feel good」。泣きそうになる。新婚旅行で行ったバリのビーチにあるバーで聴いた曲。ビーチのにおいや日本に帰る直前の若干の切なさ、異国の雰囲気がふっと蘇ってきた。

その土地の音楽じゃなくても、行く土地土地で聴いた音楽は特別なものとなり、何年経っても聴くたびに、その時間にタイムスリップできる。そんな風に好きになった音楽がたくさんあるなあとふと思い立って、旅に行きたくなった。

大学生の時に研修で行ったドイツのホテルのテレビで流れていたJanet Jacksonの「Everytime」、飛行機で流れていたKelly Sweetの「Raincoat」、スイスの街中、イヤホンで聴いた安室ちゃんの「Baby Don’t Cry」、旦那と付き合ってた時に行った金沢の車の中で聴いた久保田利伸の「Always Remain」、新婚旅行のバリでの最終夜、部屋のベッドで聴いたThe Weekendの「I Feel It Coming」などなど。きっとこの先も旅に出たり知らない場所で聴いた音楽は特別になるんだろう。もっと増やしたい。楽しいだけじゃない思い出も、全部凝縮されて大切なものになる。

同じように、失恋したときや恋をしている時の音楽も特別だったなあ。でも、昔はとにかく恋愛に時間をかけてばかりだったけど、いま思い返すと、旅や知らない土地の思い出は、自分自身が発見したりからだ全体で感じたもので、その方が自分の生き方やアイデンティティに影響されてるなあと感じる。もっと大切にしてこればよかった。

育児全然関係ないやんけ！と自分で突っ込みたいところですが、今日は旦那が赤ちゃんを連れて義実家の方に行ってくれてるんです。昼から私はフリー。現在19時半。最高オブ最高じゃないか。何してもいいんだよ。マッサージに行って、施術後奥さんとゆっくり喋ってもまだ自由。図書館であらゆる棚で本を立ち読みしても、まだ時間がある。喫茶店の雑誌を読みまくり、途中でコーヒーにワッフルを追加注文しても、まだ自由。スーパーで食料を買い、帰宅して、洗濯物を取り込み畳み、音楽を大きめの音量でかけながらPCをぽちぽちできるこの時間のなんと尊いことか。半年ぶりの誰も待ってない家、最高。明日からまた頑張れそう。旦那にも優しくなれるよ。しかも義母の作ったおいしいハンバーグを持って帰ってきてくれるらしい。泣ける。